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ヘヴェルルッド

「私の身体の奥に重なる 無数のひとり
 皮膚を溶かしながら染み出でて
 甘い息を吐きながら
 ずっと奥までひきずり込んで」

 

振付・演出 : 関かおり
出演 : 黒須育海 後藤海春 後藤ゆう 矢吹唯 関かおり
   
STAFF  
舞台監督 : 湯山千景
照明 : 髙田正義(RYU)
音響 : 堤田祐史(WHITE LIGHT)
衣装 : 竹内陽子
香り演出協力 : (有)香りのデザイン研究所 吉武利文
宣伝美術 : 細川浩伸
撮影 : 細川浩伸/松本和幸
主催 : 特定非営利活動法人 STスポット横浜 / 関かおり
共催 : 横浜市 / 横浜アーツフェスティバル実行委員会
助成 : アサヒビール芸術文化財団 / 芸術文化振興基金
協賛 : TOYOTA創造空間プロジェクト
特別協力 : 急な坂スタジオ

※組織名・肩書は当時のものです。

 

[上演記録]

上演時間72分

 

2013年2月 会場  横浜赤レンガ倉庫 トヨタコレオグラフィーアワードshoing 参加 (横浜)
      (デュオver. 出演:後藤海春、後藤ゆう/ 20分)
2012年7月 会場  STスポット横浜 Dance Dance Dance @ Yokohama 2012 / STD25参加 (横浜)

 

[作品について]

タイトル「ヘヴェルルッド」は
ヘヴェル(HEVEL): 息、はかないもの
ルッド:(レクショール ヤハッド/イフッド)結びつける/結合するという意味の
ヘブライ語からの造語

 

ひとつにふたつ、ふたつでひとつ
私の中には沢山の生き物と、その一つ一つが持つ記憶があり、
それらに形作られ、今この時間を過ごしている。

 

形或るものはいつか必ず消えてしまう。
私の中で、私を形作っている沢山の小さな細胞も、
主がいなくなれば自分の意志とは関係なく消え行く。
私がいるこの場所が消えたら、私も一緒に消えるし、
この場所があるところが消えたら、この場所も消えてしまう。

 

死んだら誰かの記憶の中に生き続けるとか聞くし言うけど、
私を覚えてくれている誰かもいつかは消えて、全てなくなる。

 

いつどれから消えるかわからない時間の中、その肌を通り越してひとつにまとまりたい。
全ての人の記憶に残りたいのではないけれど、せめて、
わなたを形作る、小さな小さな細胞の中にひっそりと残りたい。

 

使用している香り
1、ヘリオトロピン 2、ヘリオトロピン+アルデハイド

 

[推薦文]

関かおりは動き以前に、存在自体が気になって仕方がないという、希有なタイプのダンサーである。
ふと気づくと、もうそこにいる。かと思うと口元の薄笑いだけを残して掻き消えていたりする。ふわりと挙げた指先が、見ている者の鳩尾あたりにずぶずぶと分け入ってきて…… そんな幻視を呼ぶ関の舞台を見た後は、身体のどこかにダンスの感触が残り続ける。それは肌触りのようでも、吐息や香りのようでもある。そんな特別な、秘め事のような舞台なのだ。
今回も前回に引き続き「匂い」を使うという。五感に響く関の舞台が深まる様を楽しみに待ちたい。
(舞踊評論家 乗越たかお)

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